ローカリゼーションってなに?(Local is beautiful しあわせの経済世界フォーラムふりかえり①)

金とモノのものさしから、豊かさのものさしへ。

多国籍企業のためのグローバル化にはパンクをくらわせ、ローカル化のためにロックしよう。そんな風に聴こえてきたつどいでした。
 1日目だけの参加でしたが、世界各地のローカリゼーションの実践者たちのストーリーを聴きました。
音楽演奏、映像、詩の朗読も多くて、アートフェスみたいでした。

それで、自分のメモ書きを一枚にしてみました。
グローバル化とローカル化を、対比的に書いたものです。
以下、お付き合いいただける方は解説です。

こちらは、多国籍企業・大企業のためのグローバリゼーションを支えている世界観や思想、そこから浮き上がってくる様々な問題を描いたものです。


・カネとモノを求め
・"足りない"という貪欲と恐怖によって人は動かされる。
・自然と他者を支配・搾取しながら
・人間本来のサイズを超えた大量生産・消費
・無限の拡大・成長を求める
・皆が同じであることと中央に力が集まるのを好む
モノクロームの世界観だそうです。

その世界の住人は、不満足な「消費者」です。

たとえば、化粧品の広告が、どれだけ不満足を煽るものか、改めて考えてみようという話がありました。

「あなたはまだ美しさが足りない。もっと消費して美しくならなくてはいけない。休んだら、醜くなってしまう。置いていかれてしまう。もっと磨いて、もっと急いで…もっと、もっと…」


俺は、素朴に思いました。これは、ある。
たしかに、こういったような考え方は、身近な社会においても、支配的といってよい"当たり前"をつくっている思い込みかもしれない。

第二次大戦後、タイにおいては、仏僧による質素や節制のための説法が禁止されたそうです。その代わりに、「イケてる」マクドナルドとコカコーラが入ってきた。寺院の代わりにはスーパーマーケット。

また、これは別のところで語られた話ですが、

フィリピンのある島では、自然と共存できる量のバナナと魚を捕ってゆったりと豊かに暮らしていたにも関わらず、グローバル企業による「もっともっと儲かれる」という持ちかけを受け入れた結果、豊かな自然は乱開発され、人々は休む時間はなく働き、貧富格差と治安は悪化、自殺者が増加したそうです。経済に文化と自然と健康を奪われた、実質的な植民地化ですね。 

ちなみに、私たちが食べているバナナの話です。(全てではないですよ)

一方、こちらは、ローカリゼーションの考え方をまとめたものです。

・幸せを求め
・愛と共感によって、人は自ずと動きたくなる。
・人間が自然の一部であることに配慮しながら
・小さな手仕事が持つ想像力と創造性を愛し
・顔の見える関係の人たちのために
・人間の本来の欲を満たされるだけの量を生産・共有していこうとする
・ひとりひとりが違うこと、複雑に分散していることを好む
カラフルな世界観です。もともとの素朴で自然な世界のあり方、と言ってもいいかもしれません。

その世界の住人は、「アーティスト、詩人、創り手」です。

カラフルな個性を持つ個人どうし、ローカルどうしの交流を目指すため、これが「真のグローバリゼーション」であると主張されていました。
つまり、ローカリゼーションとは、閉じて孤立することではなく、個性を明らかにした上でオープンにつながることであるとのことです。

その他、色々と印象深い言葉がたくさんありました。

■「足るを知る」ー  充足を感じること


「私たちは、既に、十分に美しい」

そんなことを、皆が信じ始めたら、大きな化粧品メーカーは儲からなくなってしまいますね。

この考えでいくと、モノ・コトは今より少なくて足りるでしょうから、今のように週に5日は、働く必要はなくなるかもしれません。

ゆっくりと学び、自然に抱かれながら家族や友人との関係をつくり、必要なだけの手仕事をし、収穫を祝い、豊かな気持ちを分かち合う時間が増えるでしょう。


■ビッグ・ピクチャー・アクティビズム

これはローカリゼーションの実現のために必要な考え方のひとつだそうです。

ものごとをシステムとして捉えること、つまり、大きな因果関係(ビッグピクチャー)でものごとを見る。

問題が起きるのは、システム(仕組みや関係性)に原因があるとみて、解決を目指します。個人のせいにはしません。


私たちの日々の選択が、どのような関係性(環境や社会情勢)に、影響しているか。
それらが回り回って、どのように再び私たちの日常に返ってきているのかを考えます。  

だれがつくったの?だれが儲かっているの?

というのは、この際に使える問いかもしれません。

たとえば、自分が食べているチョコレートは、テロリズムなって自分に返ってきているかもしれないと、思って。

チョコレートの真実|書籍|英治出版

世界で最も愛されるお菓子・チョコレート。その甘さの裏には、苦い真実がある。カカオ生産の現場で横行する児童労働の実態や、巨大企業・政府の腐敗。今なお続く「哀しみの歴史」を気鋭の女性ジャーナリストが危険をおかして取材した、「真実」の重みが胸を打つノンフィクション。カカオ農園で働く子供たちは、チョコレートを知らない世界最大のカカオ豆の輸出国、コートジボワール。密林奥深くの村を訪れたカナダ人ジャーナリストのキャロル・オフは、カカオ農園で働く子供たちに出会う。子供たちは自分たちが育てた豆から何が作られるのかを知らない。自分に課された過酷な労働が、先進国の人々が愛するお菓子であることも、チョコレートが何なのかさえも。マヤ・アステカの時代に始まるチョコレートの魅惑の歴史。そのなかで生まれ、今なお続いている、過酷な「児童労働」の実態と、巨大企業や政府の腐敗。その背景にある貧困と民族間対立。そして私たち先進国の消費者の行動は、この問題にどう関わっているのか?本書は、この“世界で最も愛されるお菓子”の裏にある「苦い真実」を、さまざまな角度から明らかにする。『ビジョナリー・ピープル』ジャンル:スキル・キャリアキーワード:仕事『選ばれるプロフェッショナル』ジャンル:スキル・キャリアキーワード:プロフェッショナル『なぜ、あなたがリーダーなのか?』ジャンル:スキル・キャリアキーワード:ハーバード 組織(16) 政治(5) ものづくり(5) ドラマ(5) 自己変革(3) チーム(3) 面接(2) ソーシャルイノベーション(2) 支援(2) 組織変革(2) キャリア(1) 移住(1) 田舎暮らし(1) 人生論(1) 危機(1) 宇宙(1) ぞうさんペーパー(1) 環境問題(1) 独学(1) 医療安全(1) 革命(1) アル・ゴア(1) 南アフリカ(1) 観光(1) 難民高校生(1) 自動車(1) 販売促進(1) 韓国(1) 被災地支援(1) 文化(1)

www.eijipress.co.jp

このような見方から、今回の主催者のひとりであるヘレナさんは、現代の多くの社会問題が、根っこでつながっていると言います。

その大きな病巣のひとつが、「大企業・多国籍企業のためのグローバリゼーション」とのこと。

なお、アクティビズムというのは、「言うは易し。行動せよ」という意味です。


■自分から真実を探しにいくこと

こう呼びかけられました。

テレビやスマホ越しに、世界を見るのはやめよう。自分の目で、直接、世界を見よう。

"なぜ圧倒的にコスパや持続可能性が高い、太陽エネルギーを使わないのでしょうか?石油製品大量に生産・消費することで、海はプラスチックに溢れ、魚はプラスチックを食べ、人間がそれを食べることになっているのに。それで喜ぶのは、誰でしょうか。

一部の大きな商業・産業ムラ、つまり、石油やウランのエネルギーによって、独占的に利潤追求をするセクターです。"


あとは本人たちに語っていただくのがよいかもしれません。
今回の主催のおふたり。設定で字幕出ます。


【追記2017.11.20】
福田さんが当日のお話の書き起こしをしていただきました!
つづく

まだ語られていない物語は何ですか

ご覧いただきありがとうございます。反町キヲイチロウのブログです。群馬ローカルのママチャリで行ける範囲で、参加型の場づくりを練習しています。

0コメント

  • 1000 / 1000