「これからは、ストーリーでリーダーシップを発揮する」ふりかえり①

先日、ある講座に参加してきました。

私がとてもお世話になっている、北欧発の参加型リーダシップトレーニングである「アート・オブ・ホスティング」の理論と実践シリーズであり、また、お呼びかけ文に興味を惹かれ、ワクワクした気持ちで参加してきました。
参加してみて、思うことがたくさんありましたので、私のふりかえりを書こうと思います。

私は文章が下手なのを自覚しているので、読み手にやさしくない文章であろうことを、先にお詫びしておきます。

■ストーリーは、ものごとに命を吹き込む
講座の名前は「これからは、ストーリーでリーダシップを発揮する」です。
そこで、今回参加するにあたっての私の関心はこうでした。

ストーリーは、人と組織のために、どのように機能するのだろうか?

ストーリーとはご存知のとおり物語のことで、時系列と因果関係でつながれた情報だとか、様々な定義があるようですが、今回、私が気に入ったのは、それは「レンズ」であるということです。

今回、私が実感したことはこうです。

ストーリーが変わると、ものの見方が変わる


たとえば、ストーリーはものごとに「命が吹き込まれた」ように見せることができます。そう見えるし、実際にそうだと感じました。

具体的に、今回トーキングピースで使われたものは、一見「単なる石」です。いくらでも替えが効きそうな。
しかし、その背景について豊かに表現されることで、独特な存在感を持ち、それに触れた人間の思考や感情を内的に発動せる力を持ったものになります。
極端な言い方をすれば、パワフルなストーリーが備わっていれば、その石を渡すだけで、人の思考や行動が変化を始めるのです。

まるで魔法をかけるような行いだな、と思って観ていました。(社会構成主義、という説明だけでなく、そういうロマンを感じる言い方が大切だとわかりました)

逆に、いくら金ピカで大きなものでも、論理的で説得的なものであっても、そこにストーリーがないと、どんなものになるかは、考える価値がありそうです。


■コレクティブストーリーハーベスティング
そんなストーリーの力を活かすために、どのようなやり方をしたらよいのか、というのが次の疑問です。

その手法が、今回行った「コレクティブストーリーハーベスティング」と言われるものです。

その場の中で、全員でストーリーテラーを囲み、語られるストーリーを聴きます。その際、漫然と聴くだけでなく、ひとりひとりが明確な役割を持ちます。
実は、ストーリー聴く前に「ストーリーの中から何を探し出すか」について、グループごとに計画を練ってから、それに基づいて、深く聴くのです。
最後にそれを共有し「集合知を収穫する」というのが、この手法の肝だと理解しました。
⬆︎がグループごとに、ハーベスティング計画をつくる時の様子です。

収集したあとの姿がこちらです。
興味深く、響く知恵ばかりが並んでいます。
一方的に教わるものと違って、置いてあるもの全ての中に、自分の存在を感じることができます。

■どのような効果があるか
その場が持つ効果は多元的ですが、ひとつは「組織で起こるべき変容や協働を促すこと」だと思いました。

組織やコミュニティに適用した場合、リーダーシップは特定の権力や個人に帰属にしなくなり、ビジョンや計画は壁に貼って飾るだけのものではなくなると思いました。

いきいきと皆が協力して実行し、しなやかに状況適応しつつも、決して筋を見失わずに、目標へと躍動していくものになるはずです。

触れるモノとしての成果物が欲しければ、そういった意図の設計にして、臨むこともできると思います。実際に、今回は、未来を描くような象徴的な絵が描かれました。それを、計画、ビジョン、クレド等に置き換えてみればよいはずです。

なお、その場にいるみんなが起きて欲しいと思うことが起こるように促すので、トップダウンの指示命令、管理をしたい時に用いるのは適当でないでしょう。

■この手法が必要になる時
こんな場面で必要になるはずです。

・客観的なデータの収集・分析をするアプローチでは、人や組織が動かない、変わらない時
・「説明しづらいもの・目では見えないもの」たとえば、人と人の関係性、組織の規範や思い込みを変えようとする時
・過去と同じやり方では解決できない課題、あるいは、誰も経験したことがない課題を扱う時
・価値判断を含む課題を扱う時。たとえば、新しい生き方、新しい仕事の仕方を探る時。
・機械やAIではなく、人間にしかできないことを探る時
・複雑な状況に置かれた時。因果関係が絡まり合い、解決のために何を知ればよいのか、知ることができない時。

こんな状況は、今後増えていくと思うのですけれど、どうでしょうか。むしろ、既にそのようなことばかりではないかと、私は感じています。

書き始めたら、まだまだ長くなりそうなので、何回かに分けます。次からは、プロセスレベルのふりかえりをします。

私の頭の中の花火大会、交通渋滞が終わるまで🎆

つづく

まだ語られていない物語は何ですか

ご覧いただきありがとうございます。反町キヲイチロウのブログです。群馬ローカルのママチャリで行ける範囲で、参加型の場づくりを練習しています。

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